下痢時の検便でも大丈夫?正しい採取方法と注意点
- HEIWA SOTOMURA
- 9月25日
- 読了時間: 13分
更新日:10月2日

下痢時の検便でも大丈夫?正しい採取方法と注意点
下痢をしていても、健康診断や大腸がんのスクリーニングとして重要な便潜血検査は受けられます。正しい採取方法や注意点を知っておけば、下痢時でも検査の精度を保つことが可能です。
本記事では、下痢時に気をつける点や採便のコツ、検査結果が陽性だった際の対処法などを詳しく解説します。早期発見・早期治療に役立ててください。
さらに、便秘や下剤使用の判断など、日常生活で気をつけたいポイントも盛り込みました。大腸の健康をしっかり守るために、ぜひ参考にしてください。
検便の基本:便潜血検査の目的と重要性
まずは便潜血検査の概要と、その意味を理解することが重要です。便潜血検査は、肉眼では確認しづらい微量の血液が便に混ざっていないかを調べる検査です。大腸がんは初期症状が出にくい疾患ですが、便潜血検査によって早期発見が可能になります。特に定期的な検診で検査を受けることが、健康を守るうえで欠かせません。
健康診断で一般的に行われる便潜血検査は、大腸ポリープや大腸がんだけでなく、痔からの出血なども感知することがあります。結果によっては精密検査へと進むこともあり、早期に原因を特定できるメリットがあります。何らかの不調を感じたら、検査を受けることで適切な対応を取るきっかけにもなります。
検査は手軽ですが、その信頼性を高めるには正確な採便方法を知っておく必要があります。便潜血検査は、食生活や排便状態によって結果が左右される場合もあるため、自分の身体の状況を把握しながら受検することが大切です。
便潜血検査でわかる病状と大腸がんリスク
便潜血検査によって見つかる最も代表的な病状は、大腸がんや大腸ポリープです。ポリープの段階では無症状のことも多く、検査をしなければ気づきにくいという問題があります。早期に発見することで、治療も軽度で済むケースが増えるため、検便の意義は非常に高いといえます。
健診で行われる2日法のメリット
身体の状態は日によって変化し、便の状態も同様です。2日法での採便は、複数回の排便から検体を取ることで見落としを減らし、検査精度を高める効果があります。特に下痢気味の日とそうでない日が混在する場合でも、より信頼性の高い結果を得られる可能性が高まります。
下痢が与える検査結果への影響
採取ムラが出やすい下痢のときは、トイレットペーパーや専用のシートを使って便を受け止めると手早くスティックに付着させやすくなります。ただし、水様便の場合は十分な量が取れない可能性があるため、無理をしないことも重要です。どうしても採取が難しければ、医療機関に相談するのも選択肢の一つとなります。
下痢が続くと腸内環境が乱れやすく、体調そのものに問題が潜んでいる可能性もあります。おなかの調子が悪い状態で検査を行うと、便潜血検査の結果が正しく反映されない場合があるため、あわせて生活習慣やストレスの有無などを見直してみると良いでしょう。
下痢時の便潜血検査の精度と誤差
液状に近い便は検査キットに絡め取りにくいため、採取量が十分でない場合もあります。これにより、わずかな血液を見落とすリスクが高まる可能性があります。下痢が数日間続くようなら、検査日の調整や医療機関への相談を検討しましょう。
下痢が治らない場合の対策と医療機関への相談
市販薬などを使っても下痢が治らない場合、消化器内科を受診して原因を明らかにすることが大切です。ウイルス性や細菌性の腸炎であれば投薬や食事指導が行われ、検便の再スケジュールを考える必要が出てくる場合もあります。健康診断の日程が迫っているときは、医療機関に相談し、指示に従うことで適切に対応できます。
採取タイミングのポイント
できる限り下痢症状が軽いタイミングを逃さずに採取するのがコツです。固形に近い部分がある場合はそこを重点的に採取し、液状部分は避けるほうが検査精度を保ちやすくなります。どうしても水っぽい場合は、使い捨てシートなどを活用し、最初の排便をトイレの水に触れにくくする工夫をしてみましょう。
検便のための食事・生活習慣の見直し

検査精度を上げるためには、日頃の食生活やストレス管理も見逃せません。下痢しやすい人は、食事によって腸が過度に刺激されていないか振り返ることが大切です。普段から脂肪分や辛いもの、冷たい飲み物を取りすぎていないか確認し、なるべく飽和脂肪酸の多い食材を控えることで排便状態を安定させやすくなります。今回の検査を機に、自分の食習慣を見直してみましょう。
また、ストレスが原因で下痢を引き起こすケースも多く報告されています。仕事の忙しさや人間関係により緊張状態が続くと、腸内環境が乱れがちです。質の良い睡眠や適度な運動を取り入れ、腸への負担が少なくなるように心がけることが大切です。
健診前は炭水化物を中心に、野菜や果物など消化のよい食材をバランスよく摂取するのがおすすめです。特に普段から繊維質不足の食事をしていると、いざ採取したいタイミングで便が出にくいこともあります。排便リズムを整える意味でも、検査日までに少しずつ食習慣を改善しておくと安心です。
下痢を誘発しやすい食品と注意点
乳製品や辛い食べ物、刺激物は腸を過度に刺激して下痢を誘発しやすい場合があります。検査直前の食事では、これらの食品を認識的に控えることで、急な腹痛を防ぐことができます。水分はしっかり取りつつも、冷たい飲み物ばかりに偏らないように注意しましょう。
適度なストレス管理で下痢を防ぐ
腸は精神状態の影響を受けやすく、ストレスがあると腸のぜん動運動が乱れることがあります。 relaxation法やウォーキングなど、自分に合った方法でストレスを軽減することが大切です。定期的にリフレッシュを図り、腸内環境を整える努力を続けましょう。
健診前の食事のポイントは?
健診の数日前からは、消化に良い食材を基本として胃腸への負担を減らすことが推奨されます。水溶性食物繊維を含む果物や、胃腸を刺激しにくい調理法(煮物・蒸し物など)を選ぶと、便の状態が安定しやすくなります。検査本来の精度を高めるためにも、直前に食べるものを意識して選ぶことが重要です。
下痢・便秘が続く場合の具体的対処法

慢性的に便通の不調がある場合、安易に放置せず適切な対策を取る必要があります。便通トラブルが長期化していると、腸内の細菌バランスが大きく崩れている可能性があります。改善しないまま放置すると栄養吸収よりも排泄トラブルが増え、体力や免疫力の低下を引き起こすこともあります。自分で改善策を試しても効果がなく、不安が募る場合は、医療機関で検査を受け根本的な原因を突き止めるのがおすすめです。
また、下痢気味と便秘気味が交互にやってくる場合は、過敏性腸症候群の疑いも考えられます。食事や生活習慣を整えながら、薬物やサプリメントで腸内環境をサポートする方法もあります。専門医に相談することで、適切な治療やアドバイスが得られる可能性が高まります。
健診日を意識するあまり、独断で自己流の対処をしてしまうと本来の便の状態がわからなくなることもあります。必要に応じて医師の指示のもとで下剤を使用するなど、適切な方法で便通をコントロールしていきましょう。
便が出づらいときの工夫と下剤使用の可否
便がなかなか出ないときは、まず食物繊維や十分な水分補給、適度な運動を確認することが先決です。こうした基本的な生活習慣を整えても効果を感じられない場合は、医師に相談して下剤の使用を検討してみましょう。自己判断ではなく医師の管理下での使用が、安全かつ正確な検査のためにも望ましい方法です。
下痢や腹痛が続く場合の受診目安
激しい腹痛や血便、発熱を伴うときは単なる下痢ではない可能性があります。特に下痢状態が数日間続く場合や、便に血液が混じっている場合には、早期の医療機関受診が重要です。健診の時期だけでなく、日常的な健康管理としても、症状の見極めは欠かせないポイントです。
正しい検便のやり方:採取と保管の流れ
確実に検査精度を維持するためには、適切な採取手順と保管方法を守ることが大切です。検査キットのスティックを使う際は、便の表面を複数回優しくなぞって採取するのが基本です。下痢状態の場合は、より水分が多く付着しやすいので、余計な水分を落としてから容器に入れることが重要になります。慌てずにゆっくり作業することで、正確な検体量を確保しやすくなります。
採取後は、容器のキャップをしっかり閉めて光や空気に長時間触れないように注意しましょう。日差しの当たる場所や高温になりやすいところは避け、冷蔵または室温での保管が指示されている場合は、それに従うことが大切です。検査施設によって保管方法が少し異なることがあるので、説明書をよく読みましょう。
提出まで数日かかる場合は、汚染を防ぐためにビニール袋などに入れて密封し、他の食品や物品からしっかり隔離しておくことが望ましいです。適切な保管状態を守ることで、いざ検査を受けたときにも正確性が担保されやすくなります。
採便容器やペーパーの使い方
トイレットペーパーや専用シートをうまく活用し、便がトイレ水に浸からないように受け止めることがポイントです。スティックは複数回、異なる部分に軽くあててまんべんなく採取します。便の量が少ない場合は、少しでもまとまっている部分を中心に付着させましょう。
冷蔵庫保管への抵抗がある場合の対処
気になる場合は袋に入れて密閉し、他の食材と離して保管すると衛生面の不安を軽減できます。冷蔵庫内を大きく区分している場合は、専用スペースを用意しておくのも安全策です。保管場所がどうしても確保できないときは、病院や健診施設などに相談してみてください。
同日2回採取やトイレ水への浸かり対策
健診によっては、1回の排便から朝と夕で2回採取するケースもあります。トイレ水への浸かりを避けるためには、簡易的な受け皿やペーパーを敷いてから排便する方法が有効です。泡立ちが強いトイレ洗剤などを使っている場合は、水面への接触を極力防ぐよう心がけましょう。
検査結果が陽性だった場合の精密検査へ
もし結果が陽性となった場合は、大腸カメラなどの追加検査を受けることで原因を特定します。陽性判定が出たからといって必ずしも大腸がんが確定するわけではありません。痔や小さな傷などによって血が混ざった可能性もあるため、次のステップとして大腸カメラ検査などで詳しく調べることが重要です。自分の体調や自覚症状を踏まえて、医師と相談して正しい判断を下しましょう。
精密検査には時間とコストがかかりますが、早期に多くの疾患を発見できるメリットを考えると、対処が遅れるリスクと比べて大きな意義があります。検査前には下剤を用いて腸内をきれいにするなど、準備が必要になる場合がほとんどです。適切な指示を受けながら準備を進め、検査当日は余裕を持って臨みましょう。
陽性と判断されたあと、不安がある場合は病院や健診施設に遠慮なく質問することをおすすめします。費用面での補助制度や、鎮静剤を使用した検査の利点など、細かい部分も把握しておけば安心して受検できるはずです。
大腸カメラ検査の流れと注意点
検査前日から腸内洗浄のための下剤を飲み、便を完全に排出しておく工程があります。検査日当日は、内視鏡を肛門から挿入して大腸全体を直接観察し、ポリープなどがあればその場で切除や生検を行うことも可能です。事前の食事制限や当日の服装など、細かな注意点にも気を配りましょう。
麻酔や鎮静剤を使う場合のメリット
大腸カメラ検査の際に痛みや不快感を軽減するために、軽い麻酔や鎮静剤を使用するケースがあります。眠ったままの状態で検査を受けられるため、恐怖やストレスを大幅に減らすことができます。ただし、副作用や費用面の負担があるため、医師に相談のうえで自分に合った方法を選ぶことが大切です。
検査費用と保険組合などの補助金制度
健康保険や自治体、保険組合によって異なる補助制度があり、検査費用の一部をカバーしてくれる場合があります。大腸内視鏡検査は保険適用されるケースも多く、自己負担額を減らすことが可能です。検査前に利用できる制度を調べ、必要があれば窓口で確認すると安心でしょう。
大腸カメラ検査とは
追加検査である大腸カメラ検査は、大腸内部を直接観察して精密に診断する方法です。便潜血検査で陽性反応が出たあと、大腸がんやポリープの有無を詳しく調べるために行うのが大腸カメラ検査です。実際に目視で大腸の粘膜を確認するため、微細な病変や炎症状態を把握しやすいメリットがあります。病変が見つかった場合は、同時に生検や切除などの処置を行える点も特徴です。
医師や施設ごとに検査の進め方には多少の違いがありますが、腸内洗浄剤や鎮静剤の使用など、事前準備が重要となるのは共通です。患者の希望や体質に合わせて、麻酔の使い方などを細かく調整することもあります。検査を受ける前に不安や疑問があれば、事前にしっかりと医師に伝えておきましょう。
大腸カメラ検査の精度は機器の性能や医師の経験に左右される部分が大きいですが、近年では適切な研修を積んだ内視鏡専門医が増え、質の高い検査を受けられる環境が整ってきています。特に札幌などの都市部では、受診先の選択肢が多いため、設備や評判などを比較しながら自分に合ったクリニックを見つけることが大切です。
大腸カメラ検査の質を決めるポイント
検査で使われるカメラの性能や、医師が使い慣れている機器の種類などが結果の精度に影響を与えます。拡大鏡や高解像度の内視鏡を導入している医療機関では、より詳細な観察が可能になります。口コミや医療機関のウェブサイトで実績や設備を確認しておくと、信頼できる情報を得られやすいでしょう。
大腸カメラ検査と麻酔・鎮静剤について
痛みや不快感への耐性は個人差が大きく、麻酔や鎮静剤の使用は患者の希望を尊重する場合が多いです。医師と相談しながら、自分が安心して受検できる方法を選びましょう。麻酔により、検査後は一時的に眠気やふらつきがあるため、帰宅時の交通手段にも配慮が必要です。
札幌で大腸カメラ検査を実施しているクリニック
札幌は医療体制が整っており、大腸カメラ検査を専門的に行うクリニックや病院が多数存在します。通いやすさや受付時間、専門医の在籍状況などを事前に確認してから予約するとスムーズです。費用面や検査体制なども含めて、納得できる施設を選ぶことが安心につながります。
まとめ 下痢でも適切に採便し、早期発見に努めよう
下痢時だからといって検診を諦めず、正しく検体を採取し、大腸の健康を守りましょう。下痢のときでも便潜血検査を適切に行うことで、精度の高い結果を得ることが可能です。採取しづらい場合でも、生活習慣や採便方法を工夫すれば対処できます。万一陽性反応が出た場合は、早期に精密検査を受けて正確に原因を把握し、必要な処置を進めましょう。
大腸がんや他の疾患のリスクを早く発見するためにも、日頃から便の状態に注目し、下痢や便秘が続くときは医療機関に相談する姿勢が大切です。下剤の使用や検査のタイミングなど、医師と連携しながら進めることで安心して健診を受けられます。早期発見・早期治療を心がけて、大腸の健康を継続的に守っていきましょう。